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第10回運送業雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社田仲商事、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~取り扱い~

ということで、輸送物の種類別の注意点と、現場で実践できる取り扱いの基本ルールについて詳しく解説します。

 

運送業において、最も基本でありながら最も重要なのが「輸送物の正しい取り扱い」です。丁寧に扱っているつもりでも、少しの油断で破損や汚損、誤配送などのトラブルが発生し、会社の信頼に大きな傷がつく可能性があります。


◆ なぜ「取り扱い」が重要なのか?

  • 荷物の状態はそのまま「企業の品質」と見なされる

  • クレームや賠償につながるトラブルの大半は「ヒューマンエラー」

  • 1件の損傷が長期契約の打ち切りや信用失墜につながる

つまり、「無事故・無破損」で届けることが、プロの運送業の絶対条件です。


◆ 荷物の種類別 取り扱いのポイント

◎ 精密機器・電子部品

  • 振動・衝撃・温度に弱いため、2重緩衝・固定が基本

  • 積み下ろしは手作業でゆっくりと

  • 荷崩れ防止の「すべり止めマット」使用が推奨される

◎ 冷凍・冷蔵食品

  • 保冷車の庫内温度管理を配送中も定期チェック

  • 荷下ろし後はすぐに所定の保管場所へ

  • 時間・温度管理が記録されていることが多く、ログ保持が重要

◎ ガラス・陶器・美術品

  • 「われもの注意」「上積み厳禁」の表示とともに水平固定

  • 走行中の振動を想定し、サスペンションの確認も行う

  • 梱包材の強度と密着度合いに注意

◎ 建築資材・重量物

  • 重量バランスに配慮し、偏重積載を避ける

  • フォークリフト操作時には角当て・スリップ防止具を使用

  • 固定ベルトは摩耗・破損チェックを出発前に


◆ 輸送時のトラブルとその予防策

トラブル事例 原因 予防策
配送中の破損 積み方不良・固定不足 荷役マニュアルの徹底、事前の積載訓練
荷物の取り違え ラベル確認不足 ダブルチェック体制、積み込み前の点呼
誤配送・遅延 指示書確認不足 ナビ設定+手書き控えの併用、進行ルート再確認
荷崩れによる二次破損 急ブレーキ・旋回による不安定荷重 ストレッチフィルム・固定具の徹底使用

◆ 安全な取り扱いのための社内ルール構築

  1. 荷物別マニュアルの作成
    – 写真付きで、積み方・降ろし方・固定方法を明示。

  2. 定期研修・新人教育の徹底
    – 模擬積載訓練、破損事例の共有を実施。

  3. 点呼時チェックリスト導入
    – 積載状況・固定具・ラベル・配送先の再確認。

  4. 荷主との連携体制
    – 引き渡し時の状態チェック・報告体制を整備。


◆ 荷物の扱いが信頼を作る

運送業は「荷物を届ける」だけでなく、「荷主の信用を一緒に運んでいる」仕事です。その信頼は、日々の小さな配慮と丁寧な荷扱いによって築かれます。

荷物一つ一つに「届け先の人の期待」が詰まっているという意識を持ち、安全・正確・丁寧な作業を習慣にしましょう。それが、選ばれる運送会社への第一歩です。

 

 

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